自作までの経緯
最近購入した口径60mmの中古望遠鏡は意外に良く見え、また機構も
しっかりしていました、付属の赤道儀はより大きな望遠鏡にも耐える構造でした
インターネットで自作望遠鏡を検索したところ80mm望遠鏡が自作可能と判明
し部品を集め自作をはじめました。
部品
レンズ :口径80mm FL=900mm(MIZAR-TEC)のアクロマート・レンズ(\10,500)
鏡筒 :硬質塩化ビニル管VU (薄肉管) 外径φ89(内径φ83)
外径φ60(内径φ56) その他 接続管
接眼部 :異径管アダプタ、電設管アダプタ
フード :アクリサンデー・シート t0.5
鏡筒内部絞 :粘着アルミテープ黒色塗装
一眼レフ・アダプタ:BORG ニコン用アダプタ、塩ビVU管
ファインダー :口径60mm用を流用
プリズム :口径60mm用を流用
接眼レンズ :MIZAR-TEC 8mm、12.5mm、20mm 3種(口径60mm用を流用)
赤道儀 :口径60mm用を流用
主鏡筒部完成、レンズ取り付けフランジは塩ビ管をカットし2重に重ね接着した
塩ビ管は湯(約95°C)で柔軟になり加工は容易です。
主鏡筒部はレンズの焦点距離900mmを考え700mmとし可動部を180mmで構成した。
レンズと鏡筒の取り付けはM3ネジ3本とし塩ビ管にタップ加工を行った。
下部は60mm望遠鏡で付属品を流用した。
完成したφ80mm屈折望遠鏡
一眼レフカメラ取り付けモードで昼間調整及び試験
遠近のフォーカス調整距離が大きく中間鏡筒を二度作り直した。
また鏡筒内部はつや消し黒色塗料で塗装したが反射が残り、内部絞の
位置調整を行った、絞りを利かすとOKであるが対物レンズの口径を
生かせないので難しい。
この後対物レンズにフードが必要となり黒色アクリシートを丸め製作した。
カメラCCD(APS-C)との換算でFL=1350mmの超望遠レンズとなったが
オートフォーカスでないため、ファインダーにNIKON純正のマグニファイアを付加した。
接眼レンズとプリズムモードで調整及び試験
地上と宇宙共用となるように中間鏡筒を調整した。
アイピースの微調整ラックがないためややフォーカスの調整が困難であるが
接眼可動部をスムーズに動くよう調整し、粗調整を行い、微調整はプリズムと
アイピースの可動部で行うことにより可能になった。
低倍率 900mm/20mm = x45
中倍率 900mm/12.5mm = x72
高倍率 900mm/8mm = x112.5
2011.9.12 中秋の名月(旧8月15日)
太陽、月、地球の位置関係が良く1年中で一番月が良く見える。
地平線からの高さ及び経路、時間帯(ゴールデンタイム)、明るさなど
申し分ない。但し望遠鏡観測者には明る過ぎてクレータの影が出来ず
見にくい上減光フィルタが必要となる
ISO400 1/125 f =900mm/80mm = 11.25
アイピース(8mm)で見ると月の一部しか見えず赤道儀の赤緯と赤経の
の微動ツマミで探索が必要。
2011.9.10 満月の2日前
ISO400 1/125 f =900mm/80mm = 11.25
アイピース(12.5mm)で見ると月の影の部分のクレーターが
綺麗に見える、写真より臨場感があり、質感がリアルに見える。
地上試験を行った荒川土手、遠方に見えるのは外環道和光北付近
道路標識の記載内容がはっきり見える
東京スカイツリーが見える、距離は約21kmで視界が悪く霞んでいる。
埼玉新都心のNTTドコモ埼玉ビル、「さいたまアリーナ」のすぐ前にありランドマーク
距離は約9kmで近いがフォーカスが甘い。
池の鴨を約110mで狙った、焦点深度は極めて狭い感じ
焦点深度:
距離近いと焦点深度が浅い
焦点距離長いと焦点深度が浅い